先に述べた記事で課題にしていた、「地元議会の傍聴」に行ってきた。
用事のついでと、例会でなく運営委員会だったので瞬殺だったのだが。
それでも割と刺激があり(無論会議の中身らしいものはないのだが。笑)、体験全体としては楽しかった。
当然ながら、議会スペースの階に行くのも初めてである。
役所と同じ建物で、議会スペースは最上階、首長室はその下の階にある。
役所自体滅多に行かないので、そうしたフロア区分になっていることすら初めて知った自分に失笑したのだが。
また、興味深かったのは、最初に役所の受付で、議会の場所と入り方について聞いたら、受付の人はそもそも、「運営委員会も傍聴可能」だということすら知らなかったこと。おかげで、自分もその反応に少々不安になった。
(申し込み不要。Webサイトには「議会事務局に直接お越しください」とあった)
が、議会事務局に電話してくれ、階まで行くと、事務局の人が直接運営員会の会議室に案内してくれた。
「いつも傍聴に来られていますか?」「いえ、初めて来ました」
恐らく、傍聴に来るのは余程「定番の人」だけに限られているのだろう。
傍聴に来ているのは自分一人。
ほどなく、事務局の人が自分にも、運営委員会の議案を渡してくれた。
運営委員会は、議員は10人ほどの規模。文字通り、議会の運営日程について話し合う。
既定事項のため、議事に内容らしいものはなく、会議自体も15分ほどで終了。
傍聴席と言っても、広い会議室というわけでなく、議員たちから3,4メートルしか離れてない後方の席に一人座っているだけなうえ、顔見知りの議員もいるので、ややドギマギしながら過ごしていた。
配られたレジュメに、今後の提出議案、意見書、議事日程の項目が並んでいたので、そこで初めて、「そうか、これがうちの自治体の議会で話し合われている項目なのか」と一挙に実感が湧いてきたのである。
「地域の政治」を「議会を通じて」体感する、独特の、初めての感覚。
議会フロアには、議会室脇に、図書スペースもある。
そこにも人はいない。
会議録や自治体史のほか、自治関連の専門書などが置かれ、それなりに充実している。
会議がすぐ終わったので、しばらくそこで会議録などに目を通していた。
議員以外に、出てくる役人(要は議会質問に答える行政側)も、自分が直接やり取りする人も出てくるわけで、この感覚もまた独特である。
会議録を通じて得た感覚とは、「議会を通じて、『役所全体(の業務)』を眺める」という視点が得られる、ということだ。
普段の自分の立ち位置では、当然「自分目線」でしか、役所や役所の業務に関心を持つことがない。
また、「議会・議員」目線というのは、「役所・役所の業務」というものが「カッコに入る」感覚もある。
当然ながら、「住民としての目線」を担うのは、本来「議会・議員」のほうなのだ。
他にも、上述のレジュメに合った議案・議事項目というのは、極めて身近な内容・政策や業界団体などの名も出てくる。
また、議員たちは、レジュメ上「会派」(または政党)で表記が成されているのも新鮮であった。
「議会広報」も恥ずかしながら、初めて目を通した。
以上の通り、短時間で十分すぎるほどの「お土産」をもらった。
コンパクトで、これ以上ないほど「自分に身近」な項目(そして人)で占められているという利点と特色がある。
政治というものにアクセスしイメージの湧きやすい手段として、「議会傍聴」はもっと知られてもいいだろう。
今は実は、「地方政治」には自分なりに取り組もうとしている探究テーマがいくつかある。
今後深めるうえで、大きく強力な素材になっていくだろう。